「何故コシヒカリBLが誕生したのか?」と、よく質問を受けることがあります。
大きな理由は二つあります。それは「いもち病」と「偽米問題」です。
「いもち病」とは古来から稲に発生する典型的な病気で、これにかかると穂に栄養が行かなくなり
まともなお米は採れません。大発生する事もあり有史以来様々な飢饉に影響を与えたとも言われます。
そして、コシヒカリは「特にいもち病に弱い品種」なのです。
その為この弱点を克服する為に、いもち病の耐性を持ったササニシキやトドロキワセ等様々な品種を
コシヒカリと交配させ、数種類の病気に強い稲を生み出しました。
その数種類の稲の種籾をブレンドして栽培したものがコシヒカリBLとなります。
「偽米問題」とは魚沼産など新潟ブランドのコシヒカリが不正に市場に溢れてしまったことです。
新潟で生産されたコシヒカリの、実に10倍以上もの量が市場に流通しているなんて話もあります。
この為、コシヒカリBLの種子を新潟県の農家のみに配布する事でDNA鑑定による生産地偽装を
防ごうとしたのです。
上記の様な理由からコシヒカリBLが誕生し、新潟県が品種の切替を推進する事で
多くの米農家がコシヒカリから切り替わっていきました。
※品種の切替の為に新潟県の農協では現在本来のコシヒカリの種の販売を一切中止しました。
そんな中で石井家が「本物のコシヒカリ」を作り続けている訳は「食味」へのこだわりからです。
新潟県は食味試験により「従来のコシヒカリと味の遜色はない」としていますが、
一部の生産者・業者・消費者からは異論の声が出ていました。
そこで石井家では、昔ながらのコシヒカリにこだわる事に決めたのです。
しかし「本物のコシヒカリ栽培」はいもち病との戦いでもあります。
石井家では化学肥料を使った過剰に収量を得る為の栽培は行わず、有機肥料を使う無理のない栽培をし、
稲の本数を減らし通気性を上げるなどして、「対いもち病農薬」を使う事なくコシヒカリを育てています。
石井家のお米とは。 |
石井農園
直売所
弥彦村の「土」
弥彦村のある越後平野は信濃川、阿賀野川といった2つの大河が生み出しました。
山間部上流から養分を含んだ粘土質の土が流れ込み、長い年月をかけて米作りに適した肥沃な大地が出来たのです。土壌の豊かさの指標として土に含まれるアンモニア量の多さがあります。
なんと新潟平野のアンモニア量は全国平均の約2倍!(乾田100g当り14mg、全国平均7.5mg)
その為、肥料を多く使う必要はなく大地に含まれた天然の栄養によって美味しいお米が育ちます。
弥彦村の「気候」
夏、稲穂の太る7~9月の気温がお米の旨さに大きく影響します。
弥彦村はこの期間の平均気温がおよそ22~25℃と稲の最適気温(22~24℃)にとても近いのです。
更に昼夜の寒暖差も重要です。適正なサイクルでは稲は日中光合成を行って栄養分を生み出し、
夜間にその栄養をギュッと穂に蓄える事でお米が出来ます。ですが、夜間の気温が高いままだと
作り出した栄養が消費に回ってしまい穂に蓄える事が出来なくなってしまうのです。
この点において弥彦村では、田んぼを見守るように西側にそびえる弥彦山が影となり西日から稲を守ってくれるのです。これにより夕方から気温が下がり始め美味しいお米が育まれます。
お米の産地を見る上で重要なのは、水・土・気候の3つです。 その弥彦村における3つの点をまとめてみました。
弥彦村の「水」
弥彦村の田んぼには、大河信濃川が越後山脈から豊富な雪解水を 届けてくれます。多くの田園地帯では1度田んぼに引きいた水を 再度他の田んぼで使用しますが、私達の地域では綺麗な信濃川の 水を直接個々の田んぼに注ぐことが出来るのです。
これにより新鮮な酸素を田んぼに取り込み、同時に水を介した他の田んぼから余分な肥料・農薬・病害虫の流入を防ぐ事が出来ます。
新潟県には魚沼産や岩船産など美味しいお米の産地が沢山あります。
その新潟県において、耕地面積の少なさから生産量も少なく産地としてのブランドを形成出来ていない
「弥彦産コシヒカリ」ですが、この弥彦村産のコシヒカリは米卸業者など「知る人ぞ知る美味しいお米」なんです。
ここでは「弥彦村」という産地の特徴と、石井家の作る「昔ながらの本物のコシヒカリ」、
「お米作り~美味しいお米を届ける為のこだわり」を紹介します。
昔ながらの本物のコシヒカリ |
弥彦村のお米が美味しい訳 |
農家の手作りホームページです。